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ワン・ショット(one shot)

Posted by 有世犬

「ワン・ショット(one shot)」について、DTM用語の意味などを解説


ワン・ショット DTM用語

ワン・ショット(one shot)

サンプラー関連用語。ワン・ショットは、ウェーブ・データを順方向で1回だけ読み出す方法のことを指す。ドラムなどのパーカッシブな音に使われることが多い。DTMにおいて「ワン・ショット(one shot)」とは、サンプラーやドラムマシンにおける再生モードの一種であり、トリガーされたサンプルを最初から最後まで自動的に再生し切る方式を指す。入力信号が短時間であっても、再生はノートオフの有無にかかわらず完了まで継続される。

ワン・ショットは、MPC系グルーヴボックス、Ableton LiveのSimpler、LogicのQuick Samplerなどで一般的に採用されており、サンプルベースの打ち込みにおいては基本設定ともいえる再生方法である。特にライブパフォーマンスにおいては、1タップでフレーズ全体を確実に再生できる点が大きな利点となる。

また、ボイスやSFXの一括処理、リズムキットの構築、トランジションの演出など、ワン・ショットはトラックにおける瞬発的なアクセントとしても機能する。すなわち、ワン・ショットは単なる再生モードではなく、音の役割を明確に設計するためのアーティキュレーション手法の一つと位置付けられる。この挙動は、キック、スネア、クラップ、FX音など、時間軸上で完結する単発サウンドにおいて特に有効である。たとえば、TR-808のバスドラムやボイス・サンプルのように、音の立ち上がりと終息が決まっている素材は、ワン・ショット再生によって自然かつ安定した発音が得られる。これに対し、「ゲートモード」ではノートオン/オフの長さに応じてサンプルが途中で切れるため持続時間の予測性が低くなる。

ワン・ショット(one shot)とループ再生(loop playback)

ワン・ショット(one shot)とループ再生(loop playback)

DTMにおけるサンプル再生モードには、大きく分けて「ワン・ショット(one shot)」と「ループ再生(loop playback)」の2種が存在する。両者はサンプルトリガー後の再生挙動において明確な差異を持ち、それぞれ異なる用途に最適化されている。DAWやサンプラーにおいては、再生モード(Trigger、Gate、Loop、One Shotなど)を切り替えることで、音源の性質や演奏方法を柔軟に変更可能である。両者の違いを理解し、素材に応じた再生方式を適用することで、打ち込みの精度と音楽的表現力は大きく向上する。すなわち、ワン・ショットとループは単なる再生方式の違いではなく、音の時間的役割を設計する際の構成原理そのものである。

ワン・ショットは、ノートオン信号をトリガーとして、サンプル全体を最後まで一括再生する方式である。ノートオフの有無にかかわらず、サンプルは自動的に完走するため、主にドラムヒット、ボイス、SFX、インパクト音などに適している。瞬発的で明確な発音が求められる場面において、リリースタイムの影響を受けず一定の結果が得られる点が利点である。

一方、ループ再生は、サンプルの一部(または全体)を繰り返し再生する方式であり、ノートオン状態が維持されている間、定義されたループポイント間で再生が継続される。シンセのパッド、持続音、テクスチャ系サンプルなどに多用される。加えて、ループ再生はクロスフェードやグレイン処理との組み合わせによって滑らかな持続音が構築可能であり、サステインに重きを置いた音作りに向く。

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