リボン・コントローラー(ribbon controller)
「リボン・コントローラー(ribbon controller)」について、DTM用語の意味などを解説
リボン・コントローラー(ribbon controller)
リボン・コントローラー(ribbon controller)は、シンセサイザーなどに使われるコントローラーの一種。リボン状の接触部があり、そのどの部分に触れる(押す)かによって、音程、音色、モジュレーションの深さなどを変化させられる。細長いタッチセンサー式の入力デバイスで、指でなぞる動作により連続的なパラメーター制御が可能となるコントローラーである。指先で音を彫刻するアナログ的な操作子で主にシンセサイザーやMIDIコントローラーに搭載されており、ピッチベンド、モジュレーション、フィルターカットオフなどの連続制御に用いられる。リボンの上で指を滑らせることで、変化は無段階に行なえ、音高(ピッチ)の連続変化などが可能である。
リボン・コントローラーのアナログ的な制御感覚
リボン・コントローラーは音を「指先で彫刻する」感覚を持つ極めて人間的なインターフェースである。物理的な接触と連続性を活かしたリボンは、現代のDTM環境においても依然として独自の存在感を放っている。リボン・コントローラーの魅力は、段階のないシームレスなコントロールにある。鍵盤やエンコーダー、ノブのように「ステップ的」な変化ではなく、滑らかに変化するアナログライクなレスポンスが得られるため、特にエクスプレッシブな演奏表現に向いている。代表的な使用例としては、テルミン的なピッチスライドや、弦楽器のポルタメント、あるいはLFO的な波形操作などがあり、リアルタイムで音色を「演じる」ための入力インターフェースとして長年支持されている。リボン・コントローラーは、Yamaha CS-80やKorg Monotron、また近年ではExpressive EのTouchéやHaken Continuumといったモジュレーション重視のハードウェア/ソフトウェアにも採用されており、演奏表現の幅を飛躍的に拡張する。モノフォニック・アナログシンセにおいては、グライド操作や即興的なフィルター変化を視覚的・触覚的にコントロールできる点で他のMIDIデバイスとは一線を画している。
「リボン・コントローラー(ribbon controller)とは」DTM用語としての「リボン・コントローラー(ribbon controller)」の意味などを解説
Published:2025/05/26 updated: