トラック(track)
「トラック(track)」について、DTM用語の意味などを解説
トラック(track)
トラック(track)は、録音・録画の記録媒体上で、信号が記録される部分をいう。特に、ひとつの信号が継続されて記録される帯状の場所を指す。トラック(track)とは、DTMやDAW(Digital Audio Workstation)における基本的な構成単位であり、音声やMIDIデータ、オートメーション、エフェクト処理などを個別に管理・編集できるレイヤーを指す。楽曲制作では、各トラックに異なる楽器やボーカル、効果音などを割り当て、それぞれの要素を独立して処理・調整することにより、複雑で高密度なサウンドデザインが可能になる。たとえば、ドラムセットはキック、スネア、ハイハットを別々のトラックで管理することで、EQやコンプレッサーをパートごとに細かくかけ分けることができる。
オーディオにおけるレコーダーおよび記録媒体の規格は、記録媒体上にどのようなトラック配列をするかで分けられることからシーケンサーでもデータを記録する領域をトラックと呼ぶ。トラックは、音楽制作の骨組みであり、編集・管理・調整のすべての操作がこの単位を中心に展開されるため、DTMユーザーにとって最も基本かつ重要な概念である。トラック構成を論理的に組み立てることで、制作のスピードとクオリティの両立が実現される。
MIDIトラック
MIDIトラックは、ノートやコントロールチェンジなどの演奏データを記録・再生するためのもので、ソフトシンセや外部音源を鳴らす際に用いられる。一方、オーディオトラックは録音された実際の音声波形を扱い、ギター録音やボーカルトラックの編集に使われる。さらに、トラックにはグループ化(バストラックやフォルダートラック)やサブミックス用のAUXトラック、オートメーショントラックなども存在し、これらを駆使することで制作の自由度が飛躍的に広がる。
現代のDAWでは、トラックごとにインサートエフェクトやセンド/リターンを設定できるほか、各トラックのミュート、ソロ、フェーダーによる音量調整、パンニングといったミキシング機能も統合されている。トラック数に制限のない環境では、クリエイターは数十、時には百を超えるトラックを駆使して、楽曲全体の質感や奥行きを構築していく。
「トラック(track)とは」DTM用語としての「トラック(track)」の意味などを解説
Published:2025/04/16 updated: