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コーラス(chorus)

Posted by 有世犬

「コーラス(chorus)」について、DTM用語の意味などを解説


コーラス DTM用語

コーラス(chorus)

コーラス(chorus)は、わずかに後ろにずらした音を原音に加えることで、音に広がりを与えるエフェクト。元々コーラスには、合唱という意味がある。原音に対して微妙に時間やピッチをずらした複数の音を重ねることで、音に厚みや広がりを与える代表的なモジュレーション系エフェクトである。コーラスは特にギターやシンセサイザー、ボーカルなどの音色に使用され、単一の音源を複数人で同時に演奏しているような豊かな響きを作り出す。コーラスはDTMにおいて音の「奥行き」や「動き」を加えるための重要なツールであり、その繊細な調整次第で楽曲の表現力を大幅に向上させる効果的なエフェクトである。

コーラスの仕組み

コーラスの仕組み

コーラスの基本的な仕組みは、原音(ドライ信号)に対して短時間のディレイをかけ、そのディレイ時間をLFO(低周波オシレーター)で周期的に変化させることにより、わずかなピッチの揺らぎを生み出す点にある。この揺らぎが重なることで、音に揺れやうねりが加わり、単調さを払拭し音の存在感を高める。特に、原音が持つ倍音成分がコーラス効果によって拡散し空間的な広がりを感じさせる。

DTMソフトやエフェクトプラグインでは、コーラスのパラメータとして「ディレイタイム」「モジュレーション深度」「レート(速度)」「ミックス比」などが設定可能であり、これらを調整することで効果の強弱や質感を細かくコントロールできる。たとえば、ディレイタイムが短いほど効果は繊細になり、深度やレートを大きくするとよりはっきりとした揺れが生まれる。ミックス比は原音とエフェクト音のバランスを調整し、自然なブレンドから派手なエフェクトまで幅広く表現できる。

コーラスは単体で使用されるだけでなく、リバーブディレイなど他の空間系エフェクトと組み合わせることで、さらに豊かな音響空間を創出することが多い。特にボーカルやパッド音色にコーラスを施すことで、楽曲全体の奥行きや厚みが増し、聴き手に深い印象を与える。また、コーラスはハードウェアエフェクターとしても長い歴史があり、ヴィンテージ機材の温かみのある音質が評価されている。DTM環境においては、これらのハード機器をモデル化したプラグインも多く存在し、ユーザーは好みのサウンドキャラクターを選択可能である。

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