シンク・トラック(sync track)
「シンク・トラック(sync track)」について、DTM用語の意味などを解説
シンク・トラック(sync track)
シンク・トラック(sync track)は、同期信号を使った録音の際に、テープ・レコーダー上でその同期信号を録音するトラックを指す。シンク・トラック(sync track)は、音楽制作や映像との同期において、他の機器やソフトウェアとタイミングを一致させるための同期信号を格納した専用トラックを指す。特にアナログのマルチトラックレコーダーを使用する時代には、SMPTEタイムコードやFSK信号などを記録するために1トラックを割り当て、MIDI機器やビデオ編集機材と時間軸を揃える用途で使われた。DTMの現代環境でも、DAW内でMTC(MIDI Time Code)やMIDIクロックの出力をコントロールする仮想的なシンク・トラックの概念が存在し、外部機器との連携に不可欠である。これにより、複数のハードウェアやソフトウェアを正確に同期させ、テンポや再生位置を共有しながら制作やパフォーマンスを行うことができる。シンク・トラックは、複雑な同期システムを支える基盤として機能する重要な要素である。通常はテープの両端のトラック、たとえば8トラック・レコーダーであればトラック1かトラック8が使われる。これは同期信号が隣接トラックに漏れやすく、また漏れた場合に耳障りになりやすいからである。両端のトラックならばそれぞれ隣接トラックが1本だけなので同期信号の漏れの影響を最少限に抑えることができる。したがってトラック数に余裕があれば、シンク・トラックの隣のトラックは使わずにおくほうがよい。またどうしても使わざるを得ないときは、なるべく信号レベルの高い信号に使ったほうがよい。
「シンク・トラック(sync track)とは」DTM用語としての「シンク・トラック(sync track)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: