DTM用語

デスクトップミュージック 用語辞典

アドレス(address)

Posted by 有世犬

「アドレス(address)」について、DTM用語の意味などを解説


アドレス DTM用語

アドレス(address)は、MIDIシステム・エクスルーシブによってシンセサイザーなどの音色パラメーターを操作するケースで、パラメーターを特定するためにつけられた番号をアドレスと呼ぶ。アドレス(address)とは、シンセサイザーやコンピュータを用いた音楽制作環境において、データの格納場所や送受信先を特定するための識別子である。プログラムや機器が情報を正しく処理するためには、どのメモリ領域にアクセスすべきかを示す必要があり、そのための基盤となるのがアドレスである。一般的なコンピュータにおけるメモリアドレスの概念と同様に、音楽制作の分野においてもアドレスは重要な役割を担っている。一般的にはコンピューターでメモリーICに格納された命令やデータの番号のことをいう。

シーケンサーの内部では、各トラックやイベントがデータとして保存されるが、それらがどこに記録されているかを参照する際にアドレスが利用される。例えば、演奏データのノートオンやノートオフ、コントロールチェンジといったMIDIイベントはすべて内部的にアドレスを持ち、それに基づいて呼び出しや編集が行われる。また、時間軸に沿ったイベントリストの中で、特定の小節や拍に配置されたイベントを特定する際にもアドレス的な仕組みが用いられる。

ハードウェアシンセサイザーにおいては、音色パラメータがメモリ上に格納されており、それぞれのパラメータに対応するアドレスが存在する。例えば、フィルターのカットオフ周波数、アンプエンベロープのアタックタイム、LFOのレートといったパラメータはすべて個別のアドレスに割り当てられている。

ユーザーがフロントパネルやエディターソフトを操作することで、そのアドレスに新しい値が書き込まれ、音色が変化する仕組みである。このようにアドレスは、表面的には見えにくいがシンセサイザーの挙動を支える根幹的な仕組みである。

MIDI規格の中ほアドレスの概念は特にSysEx(システムエクスクルーシブ)メッセージで現れる。特定のメーカーや機種の内部データを操作する際にアドレス指定が用いられる。

例えば、シンセサイザーの音色データを外部から編集する場合、SysExメッセージに含まれるアドレスがどのメモリ位置のパラメータを指すのかを決定し、受信側はその情報に従って内部データを書き換える。これにより、単なるノート演奏だけでなく、緻密な音色管理や外部機器との完全な同期が可能となる。

ソフトウェアシンセやDAWにおいてもアドレスの概念は重要である。内部的には、プラグインの各パラメータやオートメーションデータがアドレスに基づいて管理されている。

例えば、ミキサーのフェーダー位置やパンニング、エフェクトのディレイタイムやリバーブ量といった値は、それぞれ内部的なアドレスを持ち、ユーザーが操作するたびにその値が書き換えられる。これにより、膨大なデータを扱うソフトウェア環境においても一貫した制御が実現される。

「アドレス(address)とは」DTM用語としての「アドレス(address)」の意味などを解説

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