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アイアールリバーブ (IR REVERB)

Posted by 有世犬

「アイアールリバーブ (IR REVERB)」について、DTM用語の意味などを解説


アイアールリバーブ DTM用語

アイアールリバーブ (IR REVERB)は、Impulse and Response Reverb(インパルス&レスポンス リバーブ)の略。
本物の空間をレコーディング、分析したリバーブで、インパルスレスポンスとコンボリューション演算を応用したリバーブ。他のリバーブに比べて高音質。従来のアルゴリズミック・リバーブが人工的に残響を合成するのに対し、IRリバーブは実在する空間の音響特性そのものをサンプリングし極めてリアルに再現する。

アルゴリズミック・リバーブとIRリバーブ

アルゴリズミック・リバーブは、初期反射・後期残響・ディケイ・プリディレイなどの要素を数学的に構成し、仮想的な空間残響を生成する。そのため、柔軟性は高いが、どうしても「作られた感」のある響きとなる場合が多い。一方IRリバーブは、実在空間の残響パターンを物理的に録音した現実の響きを持つため、特にクラシックや映画音楽、環境音楽などにおいて写実的で深みのある空間表現が可能となる。これにより、単なるエフェクトとしてのリバーブではなく空間を合成するための音響的ツールとしての価値が際立つ。

インパルス・レスポンス

IRリバーブの中心となるのが「インパルス・レスポンス」と呼ばれる短い音響情報ファイルであり、これは、コンサートホール、教会、スタジオルーム、機材(プレート、スプリングリバーブなど)など特定の空間や装置にインパルス音(スイープやスナップなど)を鳴らし、その反響を録音して得られる応答特性を記録したものである。このインパルスレスポンスは、数学的には畳み込み積分(convolution)によって処理される。すなわち、任意の入力信号(たとえばボーカルやドラム)に対して、IRファイルを畳み込むことで、その空間に実際に鳴らしたかのような反射音を生成するのがIRリバーブの本質である。

(2013年4月15日)

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