ゲート・タイム(gate time)
「ゲート・タイム(gate time)」について、DTM用語の意味などを解説
ゲート・タイム(gate time)
ゲート・タイム(gate time)は、キー・オン(ノート・オン)からキー・オフ(ノート・オフ)までの時間のこと。ゲート・タイム(gate time)とは、MIDIシーケンスにおいて各ノートが発音している時間、すなわちノートオンからノートオフまでの継続時間を示すパラメータである。通常、MIDIデータはノートの発音開始(ノートオン)と終了(ノートオフ)の2つのイベントで構成されており、その間隔がゲート・タイムとなる。これは演奏の長さ、アーティキュレーション(音の切れ方)、リズムのノリやグルーヴに直接的な影響を与える非常に重要な要素である。MIDIには音長(デュレーション)を直接表わすデータは存在しないため、シーケンサーではノート・オンのタイミングとノート・オフのタイミングの間隔が音長に相当し、ゲート・タイムと呼ばれることが多い。シ一ケンサーで演奏データを扱う上では、ゲート・タイムは実際の時間ではなく、クロック数で音長を表わすようになっている。
同じMIDIノートでもゲート・タイムを短くすればスタッカートのような歯切れの良い演奏となり、逆に長く設定すればレガートやタイのように音が滑らかに繋がった印象を与える。DAWやMIDIシーケンサーでは、ノートの長さをグリッド単位で精密にコントロールでき、ゲート・タイムの変更によってフレーズ全体の表情やリズム感を調整することが可能である。また、ゲート・タイムを均一にすることで機械的な印象を持たせたり、逆に意図的にバラつかせることで人間的なゆらぎを演出することもできる。ステップシーケンサーやグルーヴボックスでは、各ステップにおけるゲート・タイムを個別に設定する機能があり、リズムパターンやベースラインに変化と躍動感を与えるために多用される。シンセサイザー側でも、ゲート・タイムに連動してエンベロープやモジュレーションが変化するケースがあるため、音色設計の観点からも無視できないパラメータである。ゲート・タイムは単なるノートの長さ以上に、音楽的なニュアンスや演奏感、ひいてはトラック全体のグルーヴ構築において極めて重要な役割を果たしている。
「ゲート・タイム(gate time)とは」DTM用語としての「ゲート・タイム(gate time)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: