正弦波(sine wave)
「正弦波(sine wave)」について、DTM用語の意味などを解説
正弦波(sine wave)
正弦波(sine wave)は、シンセサイザーで使用される基本波形の1つ。サイン(sine)。正弦波(sine wave)は、DTM(デスクトップ・ミュージック)における音作りの最も基本的な波形であり、アナログ・デジタルを問わず音響合成の出発点となる存在である。倍音を一切含まない純音で構成され、そのスペクトルは基音のみという理想的な形を持つ。倍音を含まないため音が柔らかく、丸い印象となる。
倍音がないためフィルターを使用しても効果はない。このため、加算合成やFM合成などの基礎単位として用いられ、音響設計において「ゼロ地点」の基準とも言える。シンセサイザーではオシレーターの基本波形として用いられ、特にFM音源においてはキャリアおよびモジュレータの双方に適用され、ラディカルな音色変調を実現する核となる。EQでのテストトーン、位相補正のチェックにも使われるほか、モノシンセでのベースパッチにおいては、矩形波や鋸波と比べてアタックを抑えた滑らかなローエンドを生成できることから、用途によってはあえて選択される。波形の立ち上がり・ゼロクロッシングポイントが正確なため、LFOやエンベロープとの同期制御においても信号処理が安定するという利点もある。ゆえに、単なる基礎波形という以上に、正弦波は音響工学的・音楽的文脈においても高い応用性を持つ。
「正弦波(sine wave)とは」DTM用語としての「正弦波(sine wave)」の意味などを解説
Published:2025/04/16 updated: