オーバー・サンプリング(over sampling)
「オーバー・サンプリング(over sampling)」について、DTM用語の意味などを解説
オーバー・サンプリング(over sampling)
オーバー・サンプリング(over sampling)は、データを通常の数倍にして出力することで、サンプリング周波数を上げ、ノイズの周波数も同様に増幅させること。オーバー・サンプリング(oversampling)とは、デジタル音声処理において、元のサンプリング周波数よりもはるかに高い周波数で信号を再サンプリング(アップサンプリング)する技術を指す。これにより、アンチエイリアシングフィルターの設計が容易になり、信号処理の精度や音質の向上が期待できる。
具体的には、オーバー・サンプリングを行うことで高周波ノイズを効果的に除去し、折り返し雑音(エイリアシング)を抑制することが可能となる。これにより、デジタル-アナログ変換(DAC)やプラグイン内のフィルター処理での音の歪みや劣化が軽減され、クリアで自然なサウンド再生が実現される。DTMの分野では、プラグインのEQやコンプレッサー、リバーブなど多くのエフェクトがオーバー・サンプリングを活用しており、特に高解像度の音響処理を必要とするプロフェッショナルな制作環境で重宝されている。
デジタル方式で記録された信号をオーディオ装置で再生するためには、D/A変換とよばれる行程が必要で、その際にD/Aコンバーターという回路が使われる。
この際、サンプリング周波数付近で不要なノイズが発生するので、これをフイルターで取り除かなければならない。
このフィルターはノイズだけを取り除き、音楽信号成分を温存するという性格上、一般にはかなり急激な減衰特性を持つものとなる。
しかし、強力なフィルターは再生周波数付近で音質に悪影響を及ばす。
これを防ぐため、データを通常の何倍増かにして出力することで、サンプリング周波数を上げ、ノイズの周波数も同様に増幅させるオーバー・サンプリングという方法が用いられる。
これにより、使用するフィルターが高い周波数に対応し、かつ減衰特性も緩やかなものとなり、結果的に音質が向上する。
「オーバー・サンプリング(over sampling)とは」DTM用語としての「オーバー・サンプリング(over sampling)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: