DTM用語

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ウェット(wet)

Posted by 有世犬

「ウェット(wet)」について、DTM用語の意味などを解説


ウェット DTM用語

ウェット(wet)は、エフェクトかける前の実音(ドライ)に対して、エフェクトをかけた音をさす。ウェット(wet)とは、DTMやオーディオ工学において、エフェクト処理後の信号成分を指す用語である。対義語はドライ(dry)であり、こちらはエフェクト処理を加えていない原音を示す。リバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャー、ディストーションなど、あらゆるエフェクトはドライ信号とウェット信号の混合によって最終的なサウンドを形成するため、この概念はエフェクト処理の基礎を理解する上で欠かせない。

例えば、リバーブ・プラグインでは「Dry/Wet」ノブが搭載されており、ドライ成分とウェット成分のバランスを調整できる。ウェットを100%に設定すれば原音は完全に排除され、残響成分のみが出力される。

逆にウェットが0%であればリバーブ効果は無効化され、原音のみが再生される。この比率を調整することで、楽曲全体の奥行き感や空間表現をコントロールできる。

ミックス作業においては、ウェット成分を増やすことで音に広がりを与えたり、逆に抑えることで輪郭のはっきりした直接音を強調したりすることが可能である。

また、パラレル処理においてもウェットの概念は重要である。原音(ドライ)をそのまま残しつつ、別チャンネルにウェット信号を出力してブレンドすることで、音像を崩さずにエフェクト感を調整できる。これはコンプレッサーのパラレル・コンプレッションやリバーブのセンドリターン方式で特に活用される。

ウェットの度合いを適切に設計することは、音場設計やジャンルごとのサウンドメイキングに直結する。

クラシックやアンビエントではウェット成分を豊富にして空間的な広がりを重視する一方、ヒップホップやEDMのキックやベースではウェットを抑えてドライ感を前面に出すなど、音楽ジャンルごとにバランスの美学が異なる。

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