ローカル・スイッチ(local switch)
「ローカル・スイッチ(local switch)」について、DTM用語の意味などを解説
ローカル・スイッチ(local switch)
ローカル・スイッチ(local switch)は、キーボード・タイプのシンセサイザーの機能で、鍵盤部と音源部を接続したり切り離したりするスイッチ。MIDIキーボードと音源モジュール間の信号経路を物理的・論理的に制御する切替機構である。 MIDIコントロール・チェンジの122番に規定されており、本体外からリモート・コントロールすることも可能。
ローカル・スイッチ(Local Switch)とは、MIDIキーボードに内蔵された音源部と鍵盤(コントローラ)との内部接続を有効・無効にする設定項目で、通常、MIDIキーボード(シンセサイザー)は、鍵盤を演奏するとその信号が直接内蔵音源に送られ、音が鳴る。これは「ローカル=オン(Local On)」の状態である。しかし、DAWを中心としたMIDI制作環境では、演奏情報を一度DAWに送信し、処理された後に再び音源に戻すという「外部ルーティング(MIDI thruやloopback)」が行われるため、ローカル接続が有効なままだと「二重発音(ダブリング)」が発生する。これを回避するためにローカル・スイッチを「オフ(Local Off)」に設定し、鍵盤→DAW→音源という明確なMIDIフローを形成するのが一般的である。
たとえば、Yamaha、Roland、KorgなどのMIDI対応シンセには必ずこのローカルスイッチ機能が搭載されており、MIDIメニューまたはMIDI設定パラメータ内から切り替えが可能である。また、多くのDAW(Logic Pro, Cubase, Ableton Liveなど)には、セッション開始時に自動的にLocal Offを送信する設定が用意されている。注意すべきは、Local Offにした場合、シンセ本体で鍵盤を弾いても音が鳴らなくなるため、必ずMIDI信号がDAW経由で音源に戻る設定になっている必要があるという点である。逆に、DAWを介さず単体で演奏・使用する場合は、Local Onに戻すことで通常通り演奏可能となる。
この機能は、リアルタイム録音、マルチティンバー音源のコントロール、外部MIDIハードの同期演奏など、MIDIの柔軟な信号管理に不可欠な要素である。特にスタジオ環境やライブセットアップにおいては、物理的な信号ループを避けつつ、必要なタイミングでローカル接続をオン/オフする運用スキルが求められる。
「ローカル・スイッチ(local switch)とは」DTM用語としての「ローカル・スイッチ(local switch)」の意味などを解説
Published:2025/06/01 updated: