ループ・レコーディング(loop recording)
「ループ・レコーディング(loop recording)」について、DTM用語の意味などを解説
ループ・レコーディング(loop recording)は、シーケンサーなどで、ある範囲を繰り返しながらレコーディングを行なう方法。リズム・マシンのパターン入力などでも使われており、繰り返しながら音を追加していくことができる。ループ・レコーディングは単なる繰り返しではない。そこには繰り返すことでしか生まれない表現が確かに存在する。無限のループの中から一瞬の真実を切り取る、この手法は、現代のDTMにおける録音手法の中でも、極めて創造的なものであると言える。
ループ・レコーディング(loop recording)は、一定のバー数、またはビート数で指定された範囲をDAW上でループさせ、そのサイクル内で複数回の録音を自動的に実行する機能。これは特にMIDIノート入力やオーディオ録音において有効であり、クリエイターが即興的にフレーズを構築する際や、フレーズのベストテイクを自然発生的に抽出したい場合に極めて有用である。この技法の本質は、演奏と記録の反復による精度向上および偶発性の確保にある。ループが繰り返される中で、プレイヤーはタイミング、ベロシティ、アーティキュレーションなどを変化させながら録音を行い、その中から後に編集・選択(コンピング)可能な複数のテイクレイヤーを生成する。これにより、編集者は演奏者のナチュラルなニュアンスを保持しつつ、最も表現力豊かな断片を抽出することができる。
MIDIにおけるループ・レコーディング(loop recording)
MIDIにおいては、オーバーダブモードとリプレースモードの切替が重要である。オーバーダブでは既存のノート情報の上に新たなノートが加算され、複数の演奏パターンを重ねることができる。一方でリプレースでは、各サイクルで前回の入力が上書きされるため、純粋なテイク収録として機能する。これらの挙動はDAWによって異なるため、各ソフトウェア(たとえばAbleton Live、Cubase、Logic Proなど)のループレコーディング設定を熟知しておくことが求められる。
オーディオにおけるループ・レコーディング(loop recording)
オーディオにおいては、パンチイン/パンチアウト機能との連携が鍵となる。ループ範囲を指定しつつ、パンチゾーンを活用することで、録音対象のセクションだけを精密に差し替えることが可能となる。また、複数のオーディオテイクはコンピングツールによって視覚的に比較・編集可能であり、これによりミスのない「理想的テイク」の構築が容易となる。
「ループ・レコーディング(loop recording)とは」DTM用語としての「ループ・レコーディング(loop recording)」の意味などを解説
Published:2025/05/28 updated: