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チューン・リクエスト(tune request)

Posted by 有世犬

「チューン・リクエスト(tune request)」について、DTM用語の意味などを解説


チューン・リクエスト DTM用語

チューン・リクエスト(tune request)

チューン・リクエスト(tune request)は、アナログ・シンセサイザーのオシレータを自動的にチューニングし直すことを指示するMIDIシステム・コモン・メッセージ。チューン・リクエストはニッチながらも、MIDIの互換性と安定性を支える細やかな機能の一つである。チューン・リクエストは、MIDI規格で定義されるシステム・コモン・メッセージの一種であり、その主な目的は、アナログ・シンセサイザーや外部ハードウェア音源に対して、音程調整(チューニング)の開始を指示することにある。このMIDIメッセージは、特にVCO(電圧制御発振器)ベースのアナログ機器において、温度や電圧変動によるピッチの不安定さを補正するために用いられる。

チューン・リクエストはステータスバイト 0xF6 で表され、データバイトを伴わない1バイト完結型の命令である。そのため、非常に軽量かつシンプルな通信内容であり、送信された瞬間に対象機器が内部的なチューニングプロセスを開始するよう設計されている。ただし、すべてのMIDI機器がこの命令に対応しているわけではなく、対応機種であってもチューニング処理が可視化されることはまれであるため、ユーザーが明確にその効果を確認するには機器仕様の確認が必要となる。現代のデジタルシンセサイザーやソフト音源においては、チューン・リクエストの必要性はほとんどなく、実装自体も省略されていることが多い。一方で、アナログ回路を重視するハードウェア志向のDTM環境では、チューン・リクエストが依然として意味を持ち、ライブパフォーマンスや長時間セッション中の再調整用途に活用されることがある。

「チューン・リクエスト(tune request)とは」DTM用語としての「チューン・リクエスト(tune request)」の意味などを解説

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