クロック(Clock)
「クロック(Clock)」について、DTM用語の意味などを解説
クロック(Clock)
クロック(Clock)とは、「時間」のことで、具体的にはー定間隔でパルスを発生する装置をいう。コンピューター・システムの時間的な基準となるもので、同一システム内で動作する他の装置を管理したり、同期をとったりするために使われる。コンピューターが動作する速度も、このクロックの速度に従う。クロック(Clock)とは、DTMや電子音楽制作において、機器やソフトウェア間でのタイミング同期を取るための基準信号を指す。一定の周期でパルスを発生し、このパルスの繰り返しによってテンポやリズムの基礎となる時間軸が形成される。クロック信号はシーケンサー、ドラムマシン、シンセサイザーなど複数の機材を同期させる役割を担い、音楽制作におけるリズムの正確性と一貫性を保証する。
MIDIクロックは一般的な同期プロトコルのひとつで、1拍を24クロックに分割した精度でテンポ情報を伝達する。このため、機器同士が同じテンポで動作し、演奏やシーケンスのズレを防ぐことが可能となる。DAWでは内部クロックが生成され、外部機器にMIDIクロックを送信することでハードウェアとの同期も実現される。さらに、DINクロックやパルス信号など、アナログ系機器で使われるクロックも存在し、これらを組み合わせたハイブリッド環境での同期調整が重要視されている。クロックの精度や安定性はジッター(信号の時間的揺らぎ)の影響を受けやすく、過度なジッターはリズムの乱れや演奏の不安定さを引き起こすため、高品質なクロック生成と配信が求められる。クロック・ジェネレーターやマスタークロック機能を持つ機材はこの点を重視し、安定した信号を供給することに特化している。また、クロック信号の位相調整や分周(クロック・ディバイダー)によって多様なリズムパターンやポリリズムを作り出すことも可能であり、リズム表現の幅を拡張する重要な役割を持つ。電子楽器の分野では、リズム・マシンやシーケンサーなどを動かすためのもととなるもの(テンポ基準)として使われており、同一のクロックを他の機器にも送ることにより、同期演奏が行なえるようになっている。
「クロック(Clock)とは」DTM用語としての「クロック(Clock)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: