エミュレーター(emulator)
「エミュレーター(emulator)」について、DTM用語の意味などを解説
エミュレーター(emulator)は、エミュレーションを行なうためのハードウェアまたはソフトウェア。エミュレーター(emulator)とは、本来のハードウェアやシステムの動作環境をソフトウェア上、あるいは異なるハードウェア上で再現する仕組みを指す。
エミュレーターは、音楽制作におけるレトロ志向やヴィンテージサウンドの需要を満たすと同時に、実機では不可能な拡張機能を付加することで新たな音作りの可能性を広げている。
DTMの領域においては、往年のシンセサイザーやドラムマシン、エフェクターの挙動を再現するソフトウェアが代表的な例である。たとえば、ローランドのTR-808やJUNO-60、ヤマハDX7などの名機を忠実に再現したソフトウェア・インストゥルメントは、エミュレーターの典型である。これにより、実機を所有していなくても、その独特のサウンドキャラクターをデジタル環境で扱える。
また、エミュレーターは単なる音色の再現だけでなく、ユーザーインターフェースや当時の動作制限までも再現することが多い。たとえば、ポリフォニー数の制限やノイズ混入なども含めてエミュレーションされることで、サウンドデザインにおいてリアルな質感が得られる。さらに、エフェクトの分野ではアナログ・コンプレッサーやテープマシンのサチュレーションを忠実に再現するプラグインも、エミュレーターの一種といえる。
技術的にはDSP(デジタル・シグナル・プロセッシング)による波形解析や回路モデリングが活用され、近年はAI技術を用いたモデリングも登場している。
「エミュレーター(emulator)とは」DTM用語としての「エミュレーター(emulator)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: