DTM用語

デスクトップミュージック 用語辞典

アクティプ・センシング(active sensing)

Posted by 有世犬

「アクティプ・センシング(active sensing)」について、DTM用語の意味などを解説


アクティプ・センシング DTM用語

アクティプ・センシング(active sensing)は、MIDI規格で定められているMIDIのリアルタイム・メッセージの一種。MIDIで接続された機器が正常に動作している事を確認するための信号。送信側から受信側に向けて一定間隔で常時データが送られ、MIDIケーブルがはずれていたり、断線したりなど物理的に損なわれている状態を検出するために用いられる。「アクティブ・センシング(active sensing)」とは、MIDI規格に定められた特殊なメッセージの一種であり、主にMIDI機器同士の接続状態を監視し、通信エラーや断線などを検知するために用いられる機能である。
システムリアルタイムメッセージに分類される0xFEの1バイトのみの信号である。

送信側、受信側共にアクティブセンシング信号を使用するかどうかはオプションであるが、送る場合には300mSec以内の周期でアクティブセンシング信号を送り続ける必要がある。受信側では今まで来ていたアクティブセンシング信号がこなくなった場合、なんらかの事情により接続が切られたと判断して、全ての音を止めるなどの処理をする事が想定されている。

通常、MIDIケーブルを通じてMIDIデータが送受信される場合、ノートオンやノートオフなどの演奏データが流れていれば通信状態は維持される。しかし、演奏が停止して何もデータが送られない状態が長く続くと、受信側の機器が「信号が途絶えたのか、それとも単に演奏がないだけなのか」を区別できないという問題が生じる。

この問題を解決するために設けられたのがアクティブ・センシングである。送信側のMIDI機器は、演奏データが存在しない場合でも一定の間隔(おおよそ300ミリ秒ごと)で「アクティブ・センシング・メッセージ」を送出し、受信側はそれを監視することで接続の健全性を確認する。

もし一定時間以上アクティブ・センシング信号が途絶えた場合、受信側は「通信が切断された」と判断し、発音中のノートを強制的にノートオフするなどの安全措置を取る。これにより、MIDIケーブルが抜けたり機器がフリーズした際に音が鳴りっぱなしになる「ハングノート」を防ぐことができる。

今日のDTM環境では、USB-MIDIやソフトウェアレベルでの処理が主流となり、アクティブ・センシングが必須とされる場面は減っている。しかし、ハードウェアMIDI機器を複数接続して運用する場合には依然として有効な仕組みであり、安定した演奏環境を維持するために重要な役割を果たしている。

「アクティプ・センシング(active sensing)とは」DTM用語としての「アクティプ・センシング(active sensing)」の意味などを解説

ホームページ制作