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マスタリング(mastering)

Posted by 有世犬

「マスタリング(mastering)」について、DTM用語の意味などを解説


マスタリング DTM用語

マスタリング(mastering)

マスタリング(mastering)は、完成した楽曲をパッケージにするために各曲の音質や音圧を整え均一化する作業。マスタリングとは、音楽制作の最終工程として、ミックスされた音源を最適な状態に仕上げる作業を指す。ミックスダウンで個々の楽器やボーカルのバランスが整えられた後、マスタリングでは全体の音圧、周波数バランス、ダイナミクス、ステレオイメージの調整を行い、様々な再生環境での音質を均一化し、プロフェッショナルな完成度を実現する。

DTMにおけるマスタリング

DTMにおけるマスタリング

DTMで自作曲を制作する場合、ミックスダウンまでは比較的簡単に行えるが、マスタリングは別の専門的なスキルを要求される。特にラウドネス戦争や配信サービスごとの音圧規格の違いに対応するための知識は重要だ。セルフマスタリングをする際は、基礎的なEQ、コンプレッサー、リミッターの使い方を学び、客観的に音源を聴き比べる訓練が必要となる。マスタリングは音楽制作の総仕上げであり、楽曲の完成度を大きく左右する極めて重要なプロセスである。DTMユーザーにとっても、その基本を理解し実践することは、クオリティの高い楽曲制作に欠かせない要素と言える。

マスタリングの目的

マスタリングの目的

マスタリングの主な目的は、リスナーにとって聴きやすく、且つ音楽としての魅力が最大限に引き出される音源を作ることだ。CD、配信、ラジオ、ストリーミングサービスなど、再生環境が多様化した現代においては、どの環境でも一定の音質を保つことが求められる。音圧(ラウドネス)の統一により、音量の過不足を解消し、競合他作品と遜色ない存在感を確保することも重要。プロのマスタリングエンジニアは、専用の高性能モニタースピーカーやアコースティック調整された部屋で作業を行う。微細な音質変化を正確に捉え、適切な処理を施すためには高い聴覚スキルと豊富な経験が必要だ。最近はDAW上でプラグインを駆使することも増えているが、アナログ機材を用いた暖かみのある音作りも根強く残る。マスタリングの結果として完成する「マスター音源」は、CDプレス用のマスターや、デジタル配信用のWAV、MP3などのファイルとして納品される。音源のフォーマットやサンプリングレート、ビット深度の設定もマスタリング時に決定される。

マスタリングの主な処理内容

マスタリングの主な処理内容

マスタリングの主な処理内容

  • イコライジング(EQ)によって全体の周波数バランスを整え、低域のブーミーさや中高域の刺さりを調整する。ミックスで見逃した微細な周波数帯の補正にも用いる。
  • コンプレッション・リミッティングにより音のダイナミクス(音量差)をコントロールし、音圧を上げつつ音の潰れを防ぐ。特にリミッターはピーク制御に必須。
  • ステレオイメージの調整。左右の広がりや定位感を微調整し、立体感や空間表現を強化する。
  • ノイズリダクションによる不要なノイズやハム、クリックなどの除去。
  • フェードイン・フェードアウトやトラック間の間隔設定。
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