DTM用語

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ウェーブ(wave)

Posted by 有世犬

「ウェーブ(wave)」について、DTM用語の意味などを解説


ウェーブ DTM用語

DTMにおける「ウェーブ」という言葉は、非圧縮音声のファイル形式WAV、音響信号を表す波形、シンセサイザーが生成する基本的な波形、さらには音楽ジャンルを示す言葉として、多層的に用いられています。どの文脈で「ウェーブ」と言っているのかを理解することが、正しく使い分けるためのポイントです。DTMの実践においては、視覚的に波形を見ながらの編集、音質を保つためのWAVファイル利用、シンセ音色の波形選択と加工など。DTMにおいて「ウェーブ」という言葉は、文脈によって複数の意味を持ちます。もっとも基本的には「波」を意味し、音そのものを表す「波形」や「音声データ形式」を指す場合が多いです。また、音響的な意味だけでなく、音楽スタイルやサウンドデザインの文脈で使われることもあります。

ウェーブ(wave、WAV)

ウェーブ(wave)は、主にWindowsで使用される無圧縮サウンドファイルフォーマット。拡張子は.wav、.wave。デジタルオーディオのファイル形式としての「WAV(ウェーブ)」があります。WAV形式は「Waveform Audio File Format」の略称で、Windows環境を中心に広く利用されてきた標準的なオーディオファイルフォーマットです。非圧縮で音声データを保持することが可能で、一般的に高音質・低劣化で扱えるのが大きな利点です。

特にレコーディングやミキシングの工程では、編集を繰り返しても音質が劣化しないため、プロフェッショナルの現場でもWAVが標準的に使われています。一方で、データサイズが大きくなるという欠点もあり、配布やストリーミング用途ではMP3やAACといった圧縮形式が使われることが多いです。つまり「WAVファイル」と「wave(波形そのもの)」は関係していますが、前者は具体的なファイル形式、後者はより抽象的な概念を指す場合が多いと言えます。

音響信号の視覚的・物理的表現としての「ウェーブ(wave)」

音は空気の振動が人間の耳に伝わることで知覚されますが、これを時間軸に沿ってグラフ化したものを「波形(waveform)」と呼びます。DTMのソフトウェア上でも、録音したオーディオデータは波形として表示されます。例えば、DAWのトラック画面に表示される「山と谷が連なったグラフ」がそれで、波のように上下する振幅のパターンが音の大きさやアタック感を直感的に示しています。こうした「ウェーブ」を視覚的に把握することで、無音部分の編集、ノイズの除去、フレーズの区切りの確認などが効率的に行えます。つまり「ウェーブ」は音響信号の最も基礎的な表現であり、DTMの作業環境に欠かせない概念です。

サウンドデザインにおける波形生成としての「ウェーブ(wave)」

サウンドデザインにおける波形生成としての「ウェーブ(wave)」です。シンセサイザーは基本的な音の素材として「波形」を発生させます。代表的なのはサイン波(sine wave)、矩形波(square wave)、鋸歯状波(sawtooth wave)、三角波(triangle wave)といった基本波形で、それぞれに音色的な特徴があります。サイン波は倍音を含まない純音で、澄んだトーンが特徴です。矩形波は奇数次倍音を豊富に含み、ブラスや電子音的な響きを作り出します。鋸歯状波は倍音が豊富で、リードやストリングスのシンセ音色に使われます。三角波は矩形波よりも柔らかい倍音を持ち、柔らかな音色に適しています。こうした「ウェーブ」を組み合わせたり加工したりすることで、多彩なサウンドをデザインできるのがシンセシスの基本原理です。つまり「ウェーブ」は音の素材そのものを指す言葉でもあり、シンセサイザーの音作りにおいて根幹をなす存在なのです。

音楽ジャンルにおける「ウェーブ(wave)」

たとえば「ニューウェーブ(new wave)」は1970年代後半から80年代にかけて広まった音楽ジャンルで、シンセサイザーや電子楽器を積極的に導入した新しいスタイルを示します。今日でも「シンセウェーブ(synthwave)」や「チルウェーブ(chillwave)」といったジャンル名に「ウェーブ」が使われるのは、電子的に加工されたサウンドが「波」というイメージと結びつきやすいためでしょう。この場合の「ウェーブ」は波形そのものよりも「音楽の流れ」「潮流」といった比喩的な意味合いを帯びています。

 

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「ウェーブ(wave)とは」DTM用語としての「ウェーブ(wave)」の意味などを解説

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