インターラプト(interrupt)
「インターラプト(interrupt)」について、DTM用語の意味などを解説
インターラプト(interrupt)
インターラプト(interrupt)=割り込み。CPUがプログラムを実行している際に、外部の要求でその処理を一時中断し、すぐに再開できるようにしておいてから外部の要求に基づいた処理を行なうこと。割り込みにはいくつかの種類があり、割り込み要求が同時に起こってもプライオリティ(優先順位)が決められている。インターラプトとは、コンピュータやDTMシステムにおいて、実行中の処理を一時的に中断し、優先度の高い別の処理を優先的に実行させる仕組みを指す用語である。
ハードウェアおよびソフトウェアの両方で用いられる概念であり、リアルタイム処理が求められる音楽制作環境では特に重要な役割を果たす。インターラプトにより、DAWやMIDIシーケンサーは外部から送られてくる信号やユーザー操作に迅速に対応でき、演奏の遅延や信号の欠落を防ぐことが可能となる。
DTM環境では、MIDIイベントの受信やオーディオ入力信号の処理、エフェクトのリアルタイム適用など、多くの処理が同時並行で行われる。たとえば、ソフトウェアシンセサイザーが複数のトラックからノートオン/オフやコントロールチェンジを受信する場合、これらのイベントをリアルタイムで処理しなければ、演奏のタイミングがずれるリスクがある。
インターラプトはこの問題を解決する仕組みとして機能し、DAWやシンセサイザーは優先度の高いMIDIイベントやオーディオバッファの書き込みを即座に処理することができる。
さらに、ハードウェア的なインターラプトは、CPUが外部機器からの信号を受け取った際に処理を一時中断し、専用のインターラプトハンドラーを呼び出して対応するという形で実装される。たとえば、オーディオインターフェイスが新しいサンプルデータを入力した場合、CPUは通常処理を一時停止してこの入力を即座に取り込み、バッファオーバーフローを防ぐ。
これにより、リアルタイム性の高いオーディオ処理やMIDI同期が維持されるのである。
ソフトウェア的には、インターラプトはタイマー割り込みやI/O割り込みとして実装される。タイマー割り込みは一定周期で呼び出され、シーケンサーのクロックや同期処理を維持する役割を果たす。
I/O割り込みはキーボードやMIDIコントローラー、オーディオインターフェイスなどの外部デバイスからの入力を検知した際に発生し、即座にデータを処理する。このように、インターラプトはリアルタイム性を要求されるDTM環境において、タイミング精度を保つ不可欠な機能である。
また、インターラプトの優先度管理も重要である。複数の割り込みが同時に発生した場合、優先度の高い処理が先に実行され、低優先度の処理は後回しとなる。これにより、重要な音声データやMIDIイベントが欠落することなく処理され、リアルタイムの音楽制作や演奏が安定する。
逆に優先度の設定を誤ると、遅延やノイズ、音切れなどの問題が発生するため、ハードウェアおよびソフトウェア設計におけるインターラプト管理は非常に重要な設計要素である。
インターラプトとは処理の中断と優先制御を可能にするシステム機能であり、DTMにおいてはMIDI受信、オーディオ入力、リアルタイムエフェクト処理などの精度と安定性を支える根幹的な仕組みである。
「インターラプト(interrupt)とは」DTM用語としての「インターラプト(interrupt)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: