タッチ・センス(touch sensitivity)
「タッチ・センス(touch sensitivity)」について、DTM用語の意味などを解説
タッチ・センス(touch sensitivity)
タッチ・センス(touch sensitivity)は、鍵盤楽器において、鍵盤がどのように押し下げられているのかを感知して音量や音色をさまざまに変化させる機能。タッチ・センス(touch sensitivity)とは、MIDIキーボードや電子ピアノなどの鍵盤楽器に搭載されている機能で、演奏者の鍵盤を叩く強さや速さを検知し、その情報をベロシティ(打鍵の強さ)として音の強弱やニュアンスに反映させる技術を指す。これにより、単調な音色でも演奏表現に豊かなダイナミクスが加わり、より自然で感情的なパフォーマンスが可能となる。アコースティック楽器ではその楽器の発音体に加えるエネルギーの大小(ピアノならタッチ、ギターならピッキングの強弱)によって音量、音色が変わる。これは楽器の表現力の大きな要素となっている。
しかし、以前の電気・電子楽器に使われている鍵盤は、単に電気信号をオン/オフするスイッチでしかなかったため、どのような弾き方をしても、出てくる音は一様であった。これを解決するために速度(ベロシティ)検出型の鍵盤が考え出された。
これを利用して、鍵盤を叩く強さをキーが押し下げられる速さに置き換えて検出し、それに応じた音量や音色(のパラメーター)を設定するノート・オン・ベロシティ(イニシャル・タッチ)のほか、離鍵時の速さを検出するノート・オフ・ベロシティ、鍵盤が押され続けている場合、押される圧力を感知するアフター・タッチがある。多くのDTMソフトウェアや音源はこのベロシティ情報を活用して音量だけでなく、音色の明るさやフィルターの動きなども制御するため、タッチ・センスはデジタル演奏の表現力向上において非常に重要な役割を果たしている。
ノート・オフ・ベロシティはリリース・タイムのコントロールに使われることが多く、アフター・タッチには全鍵盤に対してその圧力を検知するチャンネル・プレッシャーと各鍵ごとに個別に圧力を感知するキー・プレッシャーがあるが、ともに発音中のビブラートや音色の明るさのコントロールに用いられる。
「タッチ・センス(touch sensitivity)とは」DTM用語としての「タッチ・センス(touch sensitivity)」の意味などを解説
Published:2025/04/16 updated: