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センシティビティ(sensitivity)

Posted by 有世犬

「センシティビティ(sensitivity)」について、DTM用語の意味などを解説


センシティビティ DTM用語

センシティビティ(sensitivity)は、感度のこと。モジュレーションのコントロールのひとつとして装備される。DTMにおけるセンシティビティは、入力機器と演奏者の表現を結ぶ「感度の橋渡し」として機能し、打ち込みとリアルタイム演奏の両面において、その調整と理解が作品のクオリティに直結する重要なパラメータである。DTMにおけるセンシティビティ(sensitivity)とは、主にMIDI入力デバイス、特にMIDIキーボードやパッドコントローラーなどにおいて、演奏者のタッチや打鍵の強さ、ニュアンスに対する反応の度合いを示すパラメータである。これは、機器がどれだけ繊細に入力の差異を検知し、それをMIDIデータ(通常はベロシティアフター・タッチ)として出力するかを決定づける重要な要素である。具体的には、センシティビティが高く設定されている場合、微細な力の違いがすぐにベロシティ値の変化として反映される。たとえば、軽く鍵盤を叩けば小さな音、強く打鍵すれば大きな音として再現され、演奏者の意図するダイナミクスや表現力が忠実にMIDIデータへ変換される。一方、センシティビティが低い設定では、打鍵の強弱が均一に処理されがちで、演奏表現の幅が狭まる傾向にある。

このセンシティビティは、MIDI入力機器のハードウェア側で調整できることもあれば、DAWやプラグイン内で後処理的に補正・変換することもできる。たとえば、DAW側でベロシティカーブを調整することで、実際のセンシティビティを間接的にコントロールすることが可能である。これにより、ハードウェアの特性や演奏者のタッチに合わせた最適なレスポンスが得られる。また、パッド系のコントローラーにおいてもセンシティビティの設定は非常に重要である。たとえば、ドラムパターンを打ち込む際に、弱い叩き方でもしっかりMIDIノートが発音されるようにするには高感度な設定が望ましいが、逆にゴーストノートが不要に拾われるような状況ではセンシティビティを落とす必要がある。つまり、センシティビティは演奏の正確さと表現力、そして打ち込みの快適さに直接影響を与えるパラメータである。

近年のMPE(MIDI Polyphonic Expression)や高精度なアフタータッチをサポートするデバイスでは、センシティビティが音高以外のパラメータ(ピッチベンド、モジュレーション、フィルターなど)にも影響を及ぼすため、その設定次第で演奏のリアリズムとインタラクティブ性が大きく変化する。感度の調整は、特にフィジカルなプレイスタイルを反映させる上で、極めて重要な作業工程となる。

 

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「センシティビティ(sensitivity)とは」DTM用語としての「センシティビティ(sensitivity)」の意味などを解説

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