アタック(attack)
「アタック(attack)」について、DTM用語の意味などを解説
アタック(attack)=音の立ち上がり。音の中でも鍵盤を押して音が出始めてから、音量が最大になるまでの部分。アタック(attack)とは、音の立ち上がり部分、すなわち発音が始まってから最大音量に到達するまでの時間やその特性を示す用語である。音響学やシンセサイザーのエンベロープ生成においては特に重要なパラメータであり、音色のキャラクターや演奏表現に直結する。例えば、ピアノの打鍵音やドラムのスネアのように瞬間的に立ち上がる音はアタックが速い音とされ、逆にストリングスやパッド系シンセ音のようにじわじわと音量が増していく場合はアタックが遅い音と分類される。
ほとんどの楽器は音が発生する瞬間が最大音量となり、音は時間とともに減衰していく。
「シンセサイザー」や「サンプラー」に備わっている「アンプリファイア」では「アタック」パラメータで音の立ち上がりの早さをコントロールできる。
シンセサイザーにおけるADSRエンベロープ(Attack, Decay, Sustain, Release)の「A」に該当する部分は、発音時の音量変化を直接的にコントロールするものである。アタックを短く設定すれば鋭く切り込むような音が得られ、リズム的要素が際立つ。一方でアタックを長めに設定すると柔らかく滑らかに広がるサウンドが生まれ、持続音やアンビエントなテクスチャに適する。
この違いは単なる音量変化だけでなく、リスナーの心理的印象や楽曲全体のダイナミクスにも大きく影響を与える。
また、アタックはコンプレッサーやエフェクターのパラメータとしても登場する。コンプレッサーにおけるアタック設定は、入力信号がスレッショルドを超えた後、どのくらいの速さで圧縮がかかるかを決定する。速いアタックではトランジェント成分が抑えられ、全体として滑らかな音像が得られる。
逆に遅いアタックでは、打撃音やピッキングの瞬間的なエネルギーが強調され、アグレッシブで抜けの良いサウンドとなる。
「アタック(attack)とは」DTM用語としての「アタック(attack)」の意味などを解説
Published:2025/04/15 updated: