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チャンク(chunk)

Posted by 有世犬

「チャンク(chunk)」について、DTM用語の意味などを解説


チャンク DTM用語

チャンク(chunk)

チャンク(chunk)は、シーケンサーなどで演奏データを扱う際にいくつかのデータの集まり(塊)をチャンクと呼ぶ。また、スタンダードMIDIファイルは、ファイル情報を収めるヘッダー・チャンクと、実際の演奏データを収めるトラック・チャンクから構成される。DTMにおけるチャンク(chunk)とは、主にMIDIファイルやシーケンサー内のデータ構造において、一定の情報をひとまとまりにした単位を指す。特にMIDIファイル(Standard MIDI File, SMF)の内部構造においては、このチャンクという概念が極めて重要であり、すべてのMIDIデータは「チャンク」の集まりとして保存・処理されている。DTMにおけるチャンクは、MIDIやプラグイン、シーケンサーなどの内部処理を支える見えない基盤的単位であり、ファイル互換性、セッション再現性、データの構造的管理といった面で極めて重要な役割を担っている。技術的背景を理解することで、より高度なMIDI処理やプロジェクト管理が可能になるだろう。

ヘッダー・チャンクとトラック・チャンク

ヘッダー・チャンクとトラック・チャンク

標準的なMIDIファイルは、「ヘッダー・チャンク(Header Chunk)」と「トラック・チャンク(Track Chunk)」の2種類で構成されている。ヘッダー・チャンクはファイル全体のフォーマットやトラック数、タイムベースなどのメタ情報を含み、一方のトラック・チャンクは、実際の演奏データ(ノート、コントロールチェンジ、テンポ変更、プログラムチェンジなど)を格納している。チャンクはバイナリデータの構造単位としても扱われるため、MIDIファイルの解析や自動生成、トラブルシューティングなどにおいては、チャンクの正確な認識が不可欠となる。

DAW(Digital Audio Workstation)上では、チャンクという語は必ずしもユーザーインターフェースに直接現れるわけではないが、MIDIデータのエクスポートや、他のプラットフォームとの互換性を担保する際に内部的に使われている。たとえば、1つのMIDIトラックに対して複数の演奏データやテンポ情報を保持したい場合、それぞれが独立したチャンクとして構成されることになる。これにより、複数のタイムライン情報やイベントをファイル内で整然と管理できる。

また、ソフトウェア開発やプラグイン設計の観点では、チャンクはプリセットやプロジェクト設定を一括して保存・読み込みするための手段としても用いられる。VSTプラグインでは、プラグイン内部の状態(パラメータ、モジュレーション設定など)を「チャンク」としてバイナリ化し、ホスト(DAW)に引き渡すことで、セッションの再現性を高めている。さらに、リアルタイム・シーケンサーやパターンベースのDAWでは、ユーザーが作成した1つのループやセクションを「チャンク」として扱い、それを順番に呼び出すことでソング全体の構成を組み立てるケースもある。この場合、チャンクは単なるデータ構造ではなく、音楽的な単位(パート、セクション、クリップ)としての意味も持ち制作効率の向上に寄与する。

「チャンク(chunk)とは」DTM用語としての「チャンク(chunk)」の意味などを解説

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